だんだんな気持ちで淡々と暮らす

淡々とした生活の記録

お店の浮気もするもんじゃないな

野菜はスーパーではなく、八百屋で買うことが多い。近所に安くて新鮮な八百屋が二件ある。友人から、僕たちがいつも行く八百屋ではないほうの評判を聞き、僕は平日休みだったこともあり、朝からそのいつも行かない八百屋に行ってみた。

小さいお店であるがが、店員さんが5人くらいいた。僕たちがいつも行くお店でも思うのだが、小さな八百屋にこんなに店員さんがいて利益が上がるのだろうかと心配になる。余計なお世話である。たぶん、家族親せきで経営しているのかなと、勝手に思っている。

確かに、野菜は安かった。国産のアスパラが100円だし、にんじんも5本もはいって88円だし、お買い得である。お安い野菜をカゴにいれ、レジの列に並んだ。なぜか分からないが、レジは長蛇の列だった。10人以上は並んでいた。平日の午前なのに不思議に思い、これもコロナの影響かなどかと勝手に考えていた。

列が進み、途中、ミカンが積んであった。数えると1つのカゴに11個入っていた。その横の値札をみると、400円とチラッと見えた。すごい、こんな立派なミカンが1個40円なんだと、予定していなかったが、買い物カゴにいれた。

レジの順番が来た。

レジ打ちのお姉さんが、その立派なミカンを買い物かごから出しながら、

「はい、特選ミカン、1,000円ね」

と僕の買い物袋に入れていった。「えっ、特選ミカンって何?、それ400円じゃないの?1,000円なんて聞いてないよ。」と心の中で思ったが、顔には一切出さない。そして、ゴルゴ13のように表情一切変えず、横を見ると、レジを待つ長い列が目にはいった。

どうする俺?

この長い列に並ぶ、おばさま達に白い目で見られるのを覚悟し、
「やっぱ、そのミカン買うのやめておきます」って言うべきかなのか!!!

気が小さい僕は、おばさま達の
「何、間違って買ってんのよ」
「1,000円もするミカンをあんたがサラリと買うのおかしいと思ったのよ」
「この、ケチ野郎」
「早くしろよこの野郎」
という多くのバッシングが、ほんの短い時間だったはずだが頭をよぎった。

結局、僕は何も言えず、その特選ミカンを持って家路についた。
オクサンへの言い訳を考えながらポケットを探ると、レシートがでてきた。
そこには、「特選ミカン」がケタ違いに輝いていた。