だんだんな気持ちで淡々と暮らす

淡々とした生活の記録

おばあちゃんとひな人形の話

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何度もいっているが、僕はデイサービスでリハビリの仕事をしている。
リハビリを行っている利用者さんの自宅に3か月に1度訪問しなければならないというルールがある。
誰も知らないと思うけど。

先日、94歳一人暮らし(未婚)のおばあちゃんの家に訪問にした。
このおばあちゃんすごくて、エレベーターのないマンションの5Fに住んでいる。
つまり、外出する時は5Fまでの階段の上り下りをしなければならない。しかも外階段。
すごくないですか!

ちょうど、ひな祭りの時期だったので、ひな人形を見ていってと強く誘われる。
玄関で話をして帰るつもりであったが、お邪魔してひな人形がある部屋へ。
そこには、お内裏様とお雛様が並んで座っていた。

「これ、わたしが作ったのよ」

と94歳のおばあちゃんが言う。とても楽しそうに自分の作ったひな人形について話してくれたが、正直あまり覚えていない。
1つ分かったのは、うん十年前に作ったものであること。

その話を聞いて少し切ない気持ちになった。

ひな祭りの時期が来る度に、誰も見るわけでもない自分で作ったひな人形を一人で飾る。
自分の歴史は無意味でなかったと言い聞かすように。


そろそろ、ふらつく足でひな人形を片付けているのだろう。
一人で歳をとるということは、きっとこういったことを静かに受け入れていくことではないかと思う。
そして、これが強く生きるということだと思う。

僕はまだまだ強くなれていない、あまちゃんだわ(笑)