【小学生の僕の話】 エロ本獲得大作戦 後編
これは、自分たちのエロ本を手に入れたいという、好奇心に満ち溢れた小学生たちのお話です。
前編では、タバコ屋のおじさんとお姉さんに、軽くあしらわれて作戦は失敗に終わった。
でも、ここでやめたら、ただの失敗であるが、再チャレンジすることで、それは成功のための経験に変わる。
なんか、良い話のように書いてしまっているが、これはただのちょいとマセタ小学生が大人に隠れてエロ本を買うという話以上の何物でもございませんので、悪しからず。
では、前篇はこんな感じ。くだらないにもほどがあるかもしれない。
そうとうもの好きではなければ、エロ本を買おうとした小学生の話など読みたくもないだろう。でも、良ければ読んでね、えへへ。
今から、後編が始まるよ。
遡ること40年ほど前、そう昭和の時代には町中にエロ本の自動販売機が存在していたことを覚えているだろうか。
今でこそ、人里離れた山の中にしか存在しないのだが、古き良き昭和の時代には町中にでかい顔してとは言わないが、ひっそりとその姿を確認することができたのである。
それは、芸能人水泳大会の「ポロリ」と時を同じくして衰退していったと、僕は勝手に推測している。
感の良い人なら、察しはついたかもしれない。次の作戦は、
【エロ本獲得大作戦③】
自動販売機で買う大作戦
やはり、大人が子供にた易くエロ本を売ってくれないことを嫌というほど分かった僕たちは、相手が大人とか子供とか気にもせず売ってくれる自動販売機で買うことに決めた。
「じゃあ、最初から自動販売機で買えば良かったじゃないかって!」
確かにそれは一理ある、しかし、それは現場を分かっていない人間の言うセリフでしかない。そう、織田裕二も言ったように「事件は現場で起きている」のさ。
とりあえず、踊る大捜査線の名セリフを入れてみたが、まったく関係はない。
おっしゃる通り、自動販売機を使うことで、まるでジュースを買うようにエロ本を買えるかもしれない。そんなことは分かっている。
じゃあなぜ?ホワイ?
もちろん、それには理由がある。その理由は、自動販売機の場所だ。
そう、自動販売機が大きな国道沿いに設置してあるのだ。
そんな場所にあるため、走っている車の中から、いつ誰に見られるか分からない。もし、ばれたら、、、僕らに明るい未来など待っているわけがないのだ。
でも、ぼくらに選択の余地はなくなった。
僕たちは、誰にも見つからないように、自動販売機でエロ本を買う以外の道は残されていないのだ。覚悟を決めろ、俺。
やらずに後悔するか、やって後悔するか、チューズユアセルフ!
どうせ一度きりの人生、やってやろうじゃないか!
繰り返すが、今回の話は小学生が大人に隠れてコソコソとエロ本を買うということ以上の内容は何もない。再度、確認。
この作戦に必要なのは、スピード、つまり速さだ。
大人たちに見つからないためには、その自動販売機の前にいる時間をできる限り最大限短くしなければならない。じゃあ、どうする?
閃いた!!!
役割を分担すれば良いのではないか。
ご存じの通り、自動販売機で何か買おうとすると、
①お金を入れる。
②選んでボタンを押す。
③取り出し口から取りだす。
という一連の動作が必要だ。
これを、3人でやることで、時間を短縮できるのではないかと考えた。
「その一秒を削れ」by東洋大学駅伝部。
それぞれの動作にはそれぞれ必要な要素がある。
お金を素早く入れるには、落ち着きが必要。
選んでボタンを押すには、決断力が必要。
取り出し口から取り出して持って走り去るから、足の速さが必要。
それぞれの特徴を活かし、役割を決めた。
僕は足が速かったから③になった。
そう、持ち去る役。顔が割れる可能性が一番高いのだ。
リスクは俺が引き受けた、なんつって。
いよいよ、決行の日が来た。
それぞれが、200円づつ持ち寄り、合計800円。
1000円札にすると、お釣りを待つ時間のロスがでるからすべて100円玉にした。
今、考えてみると、100円玉を8枚入れるロスのほうがデカくねって感じもある。
1人が見張り役として国道沿いに立ち、車が来ない時に「GO」の合図を送ることになった。
我ら突撃部隊3人組は、自動販売機まで約10Mの距離の場所に潜み、その時を待った。
僕らは声をひそめて、じっと見張り役を見ていた。
1台、2台と車が走り去った、その時、見張り役から「GO」のサインがでた。
突撃部隊3人組は自動販売機にまっしぐらに走っていった。
自動販売機に着くと、1人がすぐに手に握っていた100円玉を入れ始めた。
「速くしろ、急げ、急げ」と煽る僕。何しろ、最後まで自動販売機の前に残るのは僕だからね。
800円全部投入。投入役は走り去る。
ボタンが赤く光る。
2人目が一瞬の迷いもなく、ボタンを押し、走り去る。
そして、僕一人が残された。
自動販売機から、ボトンと音がして、エロ本が出てきた。
すかさず、僕はそれを取り出し、走り去った。
エロ本を右手にしっかり握り、わき目も振らず走った。
それは、まるで、見えない誰かから逃げているようだった。
作戦は予想以上に簡単に完了した。
僕らは「マドンナ」という名のエロ本を手にすることができた。
なかなかの内容だったと思う、確か。
が、しか~~し、本の内容なんて大した問題ではない。
大切なのは、1つの大きな目標に向かって仲間と一緒にチャレンジしたことだ。
one for all, all for one
あの時の僕らは、全員がこんな気持ちで作戦を遂行した、、、と思う。いや、
んなわけねーか、はははh。
これで、僕たちのエロ本獲得大作戦の話は終わりだ。
あの時の作戦の仲間と会うことは、今はもうない。
でも、彼らとは、これからもずっと友達なのだ。
いわゆる、心の友なのだ。