だんだんな気持ちで淡々と暮らす

淡々とした生活の記録

トラベルはトラブルという話

4月6日は父の命日である。あれから2年たった。だから、三回忌というものをしないといけないようなので、1年ぶりに家族で鳥取に帰省した。今回、諸々の理由があり、ジェットスター高松空港へ、そこからレンタカーで鳥取に向かった。

法事も無事終わり、坊さんの法話、1年前と同じこと話していたな。なんて野暮なことをボヤキながら、久々の弟と楽しい時間を持つことができた。

鳥取での用事も終え、いざ高松へ。飛行機の時間は午後8時だった。せっかくだから、観光して帰ろうということになり、瀬戸内海に浮かぶアートの島、そう直島に行くことにした。フェリーに乗って。高松港から直島までは高速船で約30分、普通船だと1時間かかる。倍の速さのためか値段も倍になる、1200円くらいだったかな。僕たちは高速船に乗った。つまり3人で3600円かかった。けっこう高い。天気の良い瀬戸内海でフェリーに乗る。気持ちいい。最高である。

直島は、現代アートが島に点在している。特に有名なのが草間彌生のかぼちゃの作品かな。まあ、家族全員アートに造形が深い訳ではないので、ベネッセアートミュージアムをサラリと鑑賞し帰ることにした。

さてさて、高松に戻るため、直島の宮浦港に戻ってきた。移動するバスの中から、フェリーが着いているのが見えた。バスの運ちゃんいわく、10分後には出航するので、多少急いでくださいとのことであった。

フェリーのチケットを買うために受付へ、よく見ると高速船も普通船もどちらも停泊していた。かみさんが言うにはどちらでも値段は一緒ってことであった。一瞬あれ?とは思った。がすぐにラッキーがそれをかき消した。だったら、高速船のほうに乗ろうとなり、かみさんは急いでチケットを購入し走ってフェリー乗り場に向かった。なんとか間に合った。

船に乗り込むと、行く時とは違い、けっこう年季が入った船だった。シートも少しお疲れ気味を隠せていない感じ。まあ、何はともあれ船に乗れたので高松港までの30分をゆっくりしようと座席に身体をうずめた。

しばらくすると、かみさんが購入したチケットを握りしめ、ちょっと怪訝な顔をして僕に話しかけてきた。

「もしかしたら、逆を買ったかも」

と言った。すぐにその意味は分かった。実は、直島へは僕らが向かった香川県高松港からも、岡山県にある宇野港からもどちらからもアクセスできるのだ。本来、僕らは車を置いている高松港にもどらなければならないのに、岡山県にある宇野港に向かっているようだったのだ。確かに、最初に調べていた出航時間と違うからおかしいなという気持ちもなくはなかった。よくよくかみさんに聞くと、チケット料金も3人で900円だったそうだ。かみさんもえらい安いなと思ったらしいが、そんなもんなのかなと軽く受け流したらしい。いやいや人間ってのは都合よく考えることができる生き物だとつくづく思う。

僕たちは瀬戸大橋を車で渡って岡山から香川に入ったにもかかわらず、船で岡山に戻ってしまった。これには少なくない焦りがあった。どうやって香川に戻る?フェリーで直島に戻り、また高松に行くこともできなくはなさそうであったが、フェリーの本数が少ないので時間がかかり過ぎてしまう。そういえば、瀬戸大橋の車道の下には電車が走っていたことを思い出した。周りを見渡すとそばに宇野駅がある。調べると20分後に高松に向かえる電車が出発する。これだと思い、すぐに電車に乗り込んだ。僕らは茶屋駅でマリンライナーという電車に乗り換え、無事高松に戻り事なきを得た。

高松駅に着き、すぐに駐車場に停めていたレンタカーに乗り込み、高松名物である骨付鶏を食べるため「一鶴」というお店に向かった。けっこう胡椒が効いていて息子は辛くて食べることができなかった。子どもと行く時は注意が必要ですね。

レンタカーのお店に向かう車の中では、「いやーフェリー乗り間違えた時は焦ったけど、事故やケガもなく無事に旅行が終わって良かったね」なんて言いながら、すでに気持ちは東京の我が家に。

車を返し、高松空港へ。ジェットスターの受付はJALANAとは離れた場所にあった。かみさんがチェックインするために受付に行ってくれ、僕とムスコッチは待っていた。すると、思っていたよりも早く、カミサンが戻ってきた、しかも受付のお姉さんを引き連れて。そして、一言。

「飛行機、欠航なんだって」

そう、僕たちの旅はまだ終わっていなかったのだ。

結局、次の日早くの新幹線で帰ろうということになり、また電車で岡山へ。本州四国間を1日2往復したお話でした。ちゃんちゃん。

 

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高松直島、直島宇野のチケット

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かぼちゃ

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骨付肉 一鶴