だんだんな気持ちで淡々と暮らす

淡々とした生活の記録

【息子の話】 友達がいなくても音楽があるではないか 

小学生にとって、友達って超重要事項の1つだ。

大人になると、友達がいようがいまいがどっちでもいいかな。なんて余裕をかますが。

でも、それは、もう気心知れた友達がいるからだろう。

子どもの頃ってのは、友達の言葉や態度にに一喜一憂してしまう、そういうお年頃なのだ。

 

緊急事態宣言が解除され、息子は久しぶりに学校に行った。

その日の晩ごはんが終わった後、ポツリと

「カイト(仮名)に話しかけても、返事してくれなかったんだよね、なんでだろう?」

とつぶやいた。カイトは一番の仲良しの子で、緊急事態宣言中も良く遊んでいたのに。

 

少し凹んだ息子に、父親らしい声掛けをしなければと思い、小5の息子に対してこう言って励ました。

 

「友達なんていなくていいだろう。一人で生きていく強さをここで身につけないと」

 

はははは、あ~~なんて意味のない言葉。

まるで、孤独に熊と格闘するマタギを目指す若者を励ましてでもいるようではないか、バカ父。小5の子どもにいきなり一人でも生きる強さを教えてどうする、愚父。

 

マイペースな彼は1人で生きる強さを持てという愚父の教えを軽く受け流し、風呂に入った。

そして、お風呂にワイヤレススピーカを持ち込み、若者に大流行中であるヨルシカの『だから僕は音楽を辞めた』を連続再生し、曲に合わせてシャウトしていた。ひとしきりシャウトし終わると、お風呂から出てきて、彼はこう叫んだのだ。

 

「は~~、元気になった」

 

お~~、なんて音楽は素晴らしいのだ。アッという間に、父親の失態をなきものにしてくれたではないか。NO MUSIC NO LIFE。やっぱり、お前は僕の息子だ。高校時代凹んだ時は、リンダリンダリンダリンダリンダ~♬と部屋の中でシャウトした日が懐かしい。

 

本当に元気になったかどうか分からない。

でも、自分で元気になろうと思うのがすごいではないか!お父さん、感動した!!

 

なんてことはない、次の日にはカイトと一緒にSWITCHに興じていたんですけどね。

そんなもんだ。