だんだんな気持ちで淡々と暮らす

淡々とした生活の記録

【母】両親を介護するということ②

つづき

 

予想もしない、突然の災難が起こったら、まずやらなきゃいけないのは、1人でもその災難を乗り越えてやるって覚悟することだ、と僕は思うんだよね。

 

母の意識はいつ回復するか分からない。病院でリハビリの仕事をしていたので、もし意識が回復してもかなりの後遺症が残るだろうことは予想できた。意識のない母のそばにいつまでもいるわけにはいかなかったので、看護師さんに挨拶をして実家へと車を走らせた。そう、実家では、母がいなくなり不穏になった父が1人で留守番をしているのだ。

実家に帰ると、父はテレビを見ていた目を僕に向けた。その目に力はなく、どことなく不安そうだった。父は1人では生きていけない。それは、脳梗塞により片麻痺であるからとか、認知症であるからとかだけではなく、もともと生活していくというレベルでの力が欠落しているのだ。

父と一緒のテーブルに座り、今何を優先してやらなければならないかを考えた。猶予は1週間。仕事のために東京に戻らなければならない。僕が戻った後、、父を1人実家に置いておくことは難しい。てか、大げさではなく、あっという間に死んでしまうだろう。結論、最優先課題は父をどうするか?ってことと決まった。

すぐに父のケアマネージャに電話をした。事情を話すと、その日のうちに訪問してくれることになった。ありがたい。家に来て、僕の話を聞いて同情してくれたケアマネージャは、父が短期的にでも良いから入所できる施設を探してみてくれると言ってくれた。どうして良いか、分からなかった僕にとって、その言葉はとても頼もしく、弱っていた僕の心を元気にしてくれた。気取ってなんて、いられなかった。とにかく、頭を下げて、助けが必要ならば、自分から求めていかなければならない。

 

黙っていても、誰も助けてはくれない。んたこた分かってる。