だんだんな気持ちで淡々と暮らす

淡々とした生活の記録

【息子】男子成長の陰に女子アリ

「お聞きしたいことがあるのですが?」

 

突然の衝動が止められないことがある。晩ごはんを食べ終え、午後8時半。伊坂幸太郎の「AX」を読み終えた僕はすぐにでも別の作品を読みたいとブックオフに雨が降っているにもかかわらず自転車を走らせた。

次の日、息子が「都会のトム&ソーヤの17巻、18巻、19巻を読みたい」と、これまた晩ごはんを食べ終え、言い出した。時間は午後8時。前日の自分と重なり、その気持ち分かるよと、深く共感した僕は、とりあえず、開いている本屋を探し、電話で在庫の確認をしろと命じた。

ぷるるぷるる、「お聞きしたいことがあるのですが、そちらに都会のトム&ソーヤの17巻、18巻、19巻は置いてあるでしょうか?」と教えてもいないのに、丁寧な言葉を使えている。いつのまに、電話対応を獲得したのだ。子どもとは親の知らぬ間に成長しているものだ。

2件目に電話した本屋に在庫があることが分かった。本屋の場所が分からないということで、僕もついて行くことにした。自転車で20分の距離。もう4月、少し肌寒いといはいえ、自転車で風を切るのは気持ちいい。それが息子とならなおのことである。かわす言葉は少ないものの、息子も少しウキウキしているのが分かる。

本屋に着き、レジに1人並び、クオカードは使えますかと確認し、店員さんからあっさり使えませんと言われる。そのやり取りを見て、もう親の手を借りなくてもこんなに社会とコミュニケーションとれるようになったんだと、またまた成長を感じる僕。親というのは、意外と自分の子どもを過小評価しているのかもしれませんな。

家に帰り、「今日夜ふかししていい?」と、すぐにでも一気に読みたいらしい。なんか、そのやる気に圧倒されたカミサンは、ちゃんと朝起きるのよと許可する。いつも朝寝坊にもかかわらず、次の日は早くから続きを読んでいる。いやいや、こんなに読書に夢中になるなんて。いいぞ。

「あーおもしろかった」と次の日の夜には読み終わったようだった。読み終わるとすぐに僕とカミサンに、

「これクララが読みたいんだって。貸してあげたいから、今から行ってきていい」と、時間は午後8時を回っていた。クララの家は近所とはいえ、時間はもう遅い。相手にLINEで確認してからにしなさいとカミサン。そうだねと素直に従う息子。LINEの返事が返ってきた。「今日はもう遅いから明日貸してだって」。なんとも、まっとうな女の子である。うむ実にまっとうだ。そうクララちゃんは小学時代のクラスメイトの女の子なのである。

すべてがつながった!

なんとも早合点。本を読みたい衝動を抑えることができない同志と思っていたが、どうもそれは間違いだったようだ。あのウキウキしながら自転車をこぐ姿も本を読めることではなく、あの娘に会えることを思い浮かべてだったんだね。本はその娘に会いたいがためのただの道具に過ぎなかったんだね。

実は、クララちゃんは女子中学に進学にしたため、今はLINEでトークするぐらいしかできていないようなのだ。会えない時間が愛を育てるのだ、まだ早いか(笑)

いやいや本当に、中学男子にとって、女の子の存在ってのは、人間的にとんでもなく成長させるし、やる気、意欲、積極性もろもろが沸きでる起爆剤になるのだな。父は思い知らされた。自分自身を振り返っても、女の子存在なくして成長はなかったかもしれない。NO GIRL,NO GROWTH んなこた~ないか、あはは。